スーパー楕円とは何か
スーパー楕円とは普通の楕円の二乗である所が二乗より大きい累乗である楕円。
上図の黒い線が本来の意味の楕円です。(無料のグラフソフト、GRAPESで描きまし た。)
そして、緑の線が三乗、青が四乗、紫が五乗です。整数乗じゃなくてもOK。
(細かいことを言うと、偶数乗以外の時は x , y に絶対値を付けます。)
乗が大きくなるとだんだん長方形に近づいてきます。
二乗じゃないなら楕円じゃないでしょ、、、って、(^^;)
確かにその通りです。
「スーパー楕円」という言葉は数学用語ではありません。
数学の先生にスーパー楕円って何ですか?なんて聞けば
「なんじゃ?そりゃ?」って言われるでしょう。
スーパー楕円を提唱したのは、ピートハインと言う方です。
楕円は長軸の方の丸さ(曲率半径)が、ちょっと、とんがりすぎていて実用的ではない。
二乗より少し大きくすれば、ちょうどいい形になるわけです。
なんだ、そんな事かって、、、いやいや、これはコロンブスの卵です。
デザインって、その、微妙なところが大事なのだ。
Piet Hein (1905 ~ 1996)
(コペンハーゲンのアンデルセン像の前で)
ピートハインはデンマーク人で、数学者にして詩人、
そして哲学者にして建築家、かつまた物理学者にしてデザイナー。
どこにも所属せず、のびのびと、あらゆるジャンルで活躍された方です。
(あまりの素敵さに卒倒しそうな、、、私)
彼が設計したもので有名な物は、
ストックホルム、セルゲル広場のロータリー、
メキシコオリンピックスタジアムがある。
セルゲル広場ロータリー。このロータリーを新たに整備するに際し
四角では交通の流れが悪い、楕円にしても車のハンドリングがきつい、と
ストックホルム市当局を、おおいに悩ませていたのだが
ピートハインがスーパー楕円を用いて、全てを解決したのだった。
メキシコオリンピックスタジアム(正しくは、アステカスタジアム)
グーグル航空写真。外周がスーパー楕円なのがよくわかる。
覚えてますか?
八重樫、杉山、釜本、松本、宮本輝、渡辺、森、小城、山口、片山、鎌田、
横山、宮本征、桑原、富沢、鈴木、浜崎、湯口、長沼監督、岡野俊一郎、、、
そうです!
1968年メキシコオリンピックでサッカー日本代表が銅メダルを取ったのだ!
1968/10/24、やっとのことで登り詰めたオリンピック。その、3位 決定戦。
相手は地元メキシコ。場所は、このアステカスタジアムです。
メキシコは地元でのメダル獲得が至上命令だから必死の攻撃をかけて来る。
日本は防戦に追われ非常に苦しい展開。
だが、、、
日本は釜本の弾丸ライナーで先制点!
私はテレビの前でじっとしていられず、
雄叫びをあげながら駆けずり回っていた。
そして、
杉山のセンタリングを釜本が受け、相手DFをかわして、シュート。
絵に描いたような追加点で2点目。
しかし、
その後無情にも審判はメキシコにペナルティキックを与える。
が、
キーパー横山がメキシコのPKを奇跡的に防ぐ。
スタンドの地元メキシコ応援団は怒りを通り越して、
ついには「ハポン、ハポン」と日本を応援!
終わってみれば、なんと、2-0 で日本の完勝。悲願のメダル獲得!!!
日本チームはフェアプレー賞、釜本は得点王。
日本代表の良い所がすべて出たオリンピックだった。
思い出すだけで涙が出ますね。
私は当時、サッカー小僧だったのだ。
この銅メダルが日本のサッカーを変えたのだった。
その後、ドーハの悲劇、Jリーグ誕生、ジョホールバルの歓喜、日韓WC、、、
と紆余曲折を経ながらも日本のサッカーは大いに飛躍したのであります。
、、、、んで、なんだっけ?
あ、スーパー楕円のお話でした。(^o^)
スーパー楕円は、とくに意匠登録や名称の登録はしていないようなので(たぶん)
我々も大いに利用しましょう。
雑記目次へ
森水窯ホームページへ