乳牛が育つ環境のこと−農場は開放系です

農業の持つエネルギーを追いかけている毎日、いきいきと生きるということと、それぞれが有機的に結びついて活かしきる関係に気がつきました。そのためにはあらゆる人、生きものが開放系になってることです。

現在８０頭の乳牛が元気に暮らしています。乳牛は２４時間いつでもどこでも解き放たれています。自由に動きまわり、食べたい量を乳牛が摂食、飲みたい量の水を飲んで、ストレス･フリーの状態が最高の環境です。食べる飼料は乾草に乳酸発酵させたビール粕をトウモロコシと混合したものです。飲み水は山の腐葉土を通った鉄分の多い流水、沢水を飲んでます。

フリーバーン方式牛舎は発酵ベッド

ひとつの牛舎は休む牛舎で、１．５Ｍの高さの発酵した牛床に好きな時間に好きなように横になっています。もうひとつの牛舎は、飼料を食べたり、草を食べたり、水を飲んだり自由にさせています。牛糞は微生物発酵しており、まったく臭いません。乳牛１頭当たり排出するフンと尿は１日４０ｋｇ。毎日堆積しますが、発酵する微生物群が良質の堆きゅう肥に作り変えてしまいました。排泄物はやっかいなものと思われているものが、発酵微生物と関係を持つことによって価値ある堆きゅう肥として野菜づくりに使われます。

産まれてまもなく子牛は、１頭ごとに２ヶ月間自分に与えられた部屋で過ごします。産まれて３日間、母乳を飲みたいだけ与えて免疫力をつけます。３ヶ月後から徐々に大きな部屋を与えていきます。

産まれて６ヶ月後、乳牛は原野に放たれます。１年間昼夜を問わず原野で過ごします。夏の暑い時も、雨や風が当たっても、冬の寒さがガリッと感じる時も、十分な乾草を食べ、自然の沢水を飲み走り歩いて骨格を鍛えています。この環境が乳牛が健康体であること、おいしい牛乳をつくる根本です。

牛乳を搾る時間−朝５時　夕５時

乳牛の乳搾りの時間です。１頭１日２５~３０ｋｇの量の牛乳を出します。牛は自分で搾乳の順番を待ちます。乳房を暖かい湯でていねいに洗われ、前搾りといって４本の乳房にある最初の牛乳を手で搾り出し（雑菌があるため）それからミルカーをつけます。ミルカーで絞られた牛乳はパイプラインを通って２トンの巨大な冷蔵タンクに貯えられます。牛乳は鮮度が命です。搾られた牛乳は、４度まで冷やされます。搾乳後　乳房はデッピングといって、消毒液で浸透消毒をして終了です。