馬
鈴薯を食べる人々
まあ、はっきり言って、へた である。アマチュアの作品ですね。
だがしかし
ゴッホはこの作品を作るに際し、膨大な習作を重ねてそして完成させ
た、精魂込めた力作なのである。
貧しい農村とか、なんとか、否定的な解釈をする人が多いが、
「この家族を、この生活から救い出しましょう」とか、思いますか?
私は、そうは思わない。
貧しくない。
とても”豊か”ではないか!
じゃがいもだけの夕食は、みじめでかわいそうに思うかもしれないが、 我々日本人とは習慣が違う。
今でも、田舎のオランダ人は、日本人みたいに、やたら となんだりかんだりは食べないそうだ。
オランダは、じゃがいも(馬鈴薯)の名産地である。
そして、どうやら豊作のようだ。
大皿いっぱいに盛られたじゃがいもは、とてもおいしそうである。
「暗い絵だ」という人もいるが、暗いのは当然である。ランプですからね。
左上の時計を見て下さい。午後7時である。冬なので、外は真っ暗である。
娘以外は帽子をかぶっている。とても寒いんです。
娘は子供だから体温が高いので大丈夫。
でもね、冠婚葬祭でもなく日常の夕食なら、そんなに笑ったり泣いたり はしないでしょう。
、、、
登場人物それぞれ、何かをしゃべっているみたいですね。
試しに「科白(せりふ)」を付けてみてください。おもしろいよ
(^^;)。
母 「ねえねえ、お父さん。お隣さんの、あの人ったらねぇ。こんな事言うのよ。ねぇ聞いてよねぇ」
父 「ん、、、(やれやれ、また始まったな)」
と、うつろな表情。
爺「おい コーヒーもう一杯」
婆「今、いれてるところだがね
あわてなさんな」
とかね
つまり、この絵は非常にリアルな絵なのである。
そもそも、この家族は実在の家族なのです。
、、、
それは、「この農家のように健康な自給自足が人間の理想の生活なの
だ。」
とでも、言いたいのでしょう。