薪割りは楽じゃないぜ
登り窯は薪が主食。薪が無い事には始まらない。
薪の中でも赤松が最高。
私が岩泉町に来た理由のひとつが赤松だ。
はじめて岩泉に来た時、
お酒を飲んだ店の店名が、なんと「赤松」!!
その時点で、もう、この町に永住することが決まったようなもんだ。
岩泉町の「町の木」が赤松だっていう位なのだ。
赤松が町の木だっていう位だから、当然「まつたけ」も出るよ!
岩泉町はまつたけの大産地なんだぜ。
「松茸は食べるより、取る事のほうが面白い」と岩泉人は言う。
面白いったって、こんなに面白いものは他には無い。
そう。松葉に隠れた松茸を見つけ出す「眼力」が無いと採れないよ。
全国の皆様、秋には岩泉にまつたけを食べにおいで!
おっと、 閑話休題。
登り窯を焼くには膨大な量の薪を割らなきゃならない。
仕事の半分は、薪割りってことになってしまう。
(それでも、森水窯は、胴木の間を持っており、
小割りの薪は少しで済むので、まだ比較的楽なほうなんだ。)
大量の薪を、「のこぎり」で切っていたら、
ろくろをやっている暇が無くなってしまう。
そこで、絶対の必需品がチェーンソーだ。
チェーンソーは修行中から相当にならしたもんだ。
でも、プロじゃないから、目立てに失敗して斜めに切れたりもする。
お恥ずかしい。
チェーンソーって、切ること自体はそんなに難しいわけではないが
目立てが難しいのです。
丸い棒やすりで目立てするのですが、ついつい下に押してしまう。
そうすると、薄く、鋭くなってしまうのです。
鋭いから良く切れるのか、と言うと、さにあらず。
刃が薄くなってしまうとダメ。粉ばっかりが出て全然ダメ。
むしろ鈍角に目立てしなければならない。
鈍角に刃を付けると、大きな削り屑がボサボサと出て
まるでヨーカンを切るようにズバズバ気持ち良く切れるのだ!
鈍角にする為には、棒やすりを浮かせるようにして削る。
ほんのちょっとした事なんだけど、けっこう難しいんだよね、これが。
(鈍角って数学では90度より大きい角の事でしたね。
ここでは、「鋭くない角」っていう意味ですので、どうか御勘弁下さい(^^)
55度が良いと書いてあるサイトがありました。ま、その位でしょうね。)
そして、刃が左右にあるので、左右均等に削らないと
斜めに切れる事になってしまいます。
ま、私の場合は薪だから、どうせ燃やしてしまうので
少しくらい斜めに切っても、別に、なんて事もないんだけどね、、、
さて、薪を切ったら、きれいに積まなければなりません。
薪の管理が悪いと、窯焚きの時、温度が上がらずエライ事になる。
薪を積むのを、面倒だとか大変だとか思っていたら窯は焼けない。
つらいと思えば、ほんとにつらい仕事だ。
だけど、薪積みも、おおがかりな「積み木」だと考えて、
楽しくのんびりやるのさ。
、、、、、
苦労して積んだ薪の山を、窯焚きの時になれば容赦なくブッ壊す。
これがまた楽しい。
「積み木」って、「ぶっこわす時」が一番楽しいんだよね。(^o^)
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