豆腐袋の幾何学

協力:小野寺キンコ(岩泉町月出  農業歴 数十年)
   小野寺文雄(盛岡市  桜城小学校 教諭)

森水窯がある、岩手県東北部では
昔から、各家庭で豆腐を作る習慣があります。
ゆでた豆腐をしぼる時に使用する「袋」の作り方を聞いたところ、
幾何学的に、なかなか面白いので御紹介します。

作り方は、簡単です。


材料は、手ぬぐいでも、適当に切った「さらし」でも、

とにかく細長い布であれば何でもOK

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1.
 布の長辺の片方に、角から短辺と同じ幅の所に印を付ける。
2.
 その印から、もう一つの角までの二等分点で折り曲げ、縫い合わせる。
3.
 反対側では1の対角から同じ方法で作図し、縫い合わ せる。

これだけで、持つ所のついた便利な袋が出来上がります。
(長辺が短辺の3倍以上の時、袋らしい深さになる。)

荷重が、「布の繊維の方向」には掛からず、
「織り目の対角線方向」に掛かるので、力が袋全体に分散する。
(「バイアステープ」というものも同様に、繊維が斜めだそうです。)
比較的弱い布であっても、意外と丈夫な袋が出来ます。
だから、豆腐を絞るのに、適しているのでしょう。

上図からは、およそ想像出来ないのですが、この袋はピッタリ畳めます。

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長辺が短辺の奇数倍の時は、持つ所までぴったし。
それ以外の時は、若干、ズレますね。
でも、実用上は問題ないでしょう。

1.
 とても長い布でも、縫い目が螺旋状に収まって、うまく袋になる。
2.
 長辺と短辺の比は、気にする必要がない。

こんなところが、不思議ですね。

私は、釉薬に使う「灰」を乾燥させる袋に使っています。

おしゃれな「買い物袋」を作って、ごみ減らし運動に協力、、、なんて如何?

       


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