ガリレオのピサの斜塔の実験
ガリレオが、ピサの斜塔から鉄の玉と木の玉を落としたら、ほぼ同時に落ちた。
と言う実験なのですが、考えてみれば不思議な事です。
(ほんとうにその実験をしたかどうかは、実は不明らしいのですが、、、)
手で持ってみれば、鉄の玉のほうが確かに重く感じるでしょう。
木の玉よりも強い力で下に引っ張られているからです。
強い力で引かれれば、より速いスピードで落ちそうなもんですよね。
それが同時に地面に到着するのは、
重い鉄のほうが慣性が大きく、同じ速さを保とうとする力が強いのです。
慣性と重力がぴったり相殺されて、結局同時に地面に落ちてしまうのだ。
(鉄の玉と木の玉の重さが、空気抵抗を無視出来る程度以上に重い場合)
重力質量と慣性質量をなんとか分離することが出来れば良いのだが。
質量10kgの玉なら慣性質量も 全く同じ10kgで、分けることは出来ない。
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重力質量と慣性質量の分離は出来ないが、違う値にすることが出来ます!
いい方法を受験問題集で見つけました。
それには滑車を使うのです。
滑車によって、慣性質量と重力質量を、見かけ上、違う値にする事ができます。
滑車にかけた重りは見かけ上 M-m の重さなのですが
重さ M-m の単なる重り(右図)よりゆっくり落ちるでしょう。
これは実際にやってみれば本当にゆっくり落ちます。
そして、
M-m が同じ10kg であるとしても、
M が30kg、m が20kg である時よりも
M が1000kg(つまり1トン!)、m が990kg である時のほうが
ずっとゆっくり落ちるであろう事は、容易に想像できますね。
慣性質量って、意外と「実感」できるでしょう。
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