産卵遡上期の吻部が曲がった雄サケの外観から、こう呼ばれるようになったという鮭(サケ)説などがある。圭という字は三角形に先がとがり下方がずらりと伸びたものを意味するという。常陸風土記(724)には鮭という文字が初めて使われているという。この他、塩気(シオケ)の転訛説、瀬蹴(セケ)の転訛説などがある。
川で生まれ、小さいうちに海へ下り、遠く北洋まで回遊して、生まれた川に帰ってくる不思議な魚です。岩手県での漁獲は、全国でも上位の漁獲量であり重要な水産資源です。
岩手県では、11月下旬~12月上旬が盛漁期です。
産卵は、秋から翌年の1月末頃まで行われる。産卵後60日でふ化し(卵から生まれる)、さらに60日で稚魚になる(湧水の水温が8℃で)。
尾叉長で55~80cm(4年魚で65~70cm)、体重2~5kg平均で3kg位です。
大きさによって違いますが、1尾当たり約3,000粒です(2,500~8,000粒)。
放流している川では帰ってきますし、放流していなくても産卵できる場所があれば天然のものがいると思います。
沿岸までは、太陽の位置などを目安に帰る「太陽コンパス説」や「磁気コンパス説」などがありますが、沿岸に近づいてからは生まれた川の臭いでわかるという「臭覚回帰説」ではないかと考えられていますが、実際はどうなのかはわかっていません。ただ、確実に帰ってくることは事実なのです。
北洋で1~5年すごして、2~6歳魚となって生まれた川に帰って来ますが、最も多いのは4歳魚です。
アラスカ湾やベーリング海まで分布します。
岩手県でよく見られるのは、カラフトマス、サクラマス(ヤマメ)、ニジマス、イワナなどです。
川では昆虫、海に下がった稚魚は動物プランクトンなど、北洋ではオキアミ類やヨコエビ類などを主に食べているようです。大きくなれば魚も食べます。
赤身の魚といわれているマグロはミオグロビンという呼吸色素があるため身が赤く、「赤身の魚」と呼ばれます。しかし、鮭の赤い色(赤というよりはオレンジ色)はアスタキサンチンという別の色素によるもので、餌の色によるものです。
イクラは膜(卵嚢)に包まれた魚卵を取り出し、バラバラに分離した後に塩やしょうゆで味付けしたものです。筋子は取り出した魚卵を膜に包まれたままで塩漬けにしたものです。
新巻はえらや内臓を取り出し、よく洗い塩漬けにします。数日後に塩を落とし、乾燥させたものです。
荒巻というのは荒むしろでまいたからとか、塩を荒くまくからとか、いろいろな説があります。19世紀初頭の文書には「荒巻鮭」の呼び名があります。いつの頃から、新巻という書き方になったかは分かりません。
放流するときの重さが1.5gでとれるときの重さが約3kgなので2,000倍ということになります。
毎年約4億2千万尾放流を計画しています。
オスは油鰭(アブラビレ)が大きいことや尾鰭の切れ込みが大きいことがあげられます。また、「鼻曲がりザケ」と呼ばれる様に河川に遡上する頃には鼻が大きく曲がってきます。
一方メスは油鰭が小さく、体もオスより小さくて卵を抱えているため腹部に丸みを帯びています。